空気公団 /山崎ゆかり

風の瞬間

別れた彼女から連絡があった
元気そうでよかった
少しうれしい

ホームに電車が入ってくるとき
風がふわっとする瞬間があって
その瞬間に思い出す
電車は思い出の中を走っている
風が過ぎた瞬間に僕は
1人になったと実感した